「働く」ことを軸に障害者のノーマライゼーションを目指す
大阪府箕面市稲1丁目11番2号

ヒロシのつぶやき「音訳グループ『とも』さんとの出会い」

読者の皆さん、こんにちは。車椅子のヒロシです。
世界のあちこちが物々しくなり、ますます不穏な空気になってきている中で、こんな句を見つけました。

    蟇(ひきがえる)誰かものいへ 声かぎり
『台風眼』加藤楸邨(かとうしゅうそん)(昭和14年の作)

この句からは苦しみが伝わってくるようですが、平和な日常が早く戻ることを祈っています。

さて今回は、2回に渡り書いてきました『私、大腸がんになっちゃいました!』の方は
一回お休みにして、私の情報収集の一つのツールとして大切にしています音訳グループ『とも』、
愛称は『ともさん』(以後『ともさん』と表記)をご紹介させていただきます。

箕面には別の音訳グループがあり、1980年代から音訳活動を続けておられますが、
その箕面の音訳グループから紹介してもらったのが、『ともさん』でした。
『ともさん』は吹田市で40年近く、主として目の不自由な人、
重度の肢体不自由のために本などを読むことが困難な人に音声に変えて情報を提供する活動をされています。

そもそも、私が『ともさん』と出会ったきっかけは、私が20歳ぐらいだったかと思います。

当時から自己流で、一か月に4句から7句ぐらいのペースで俳句を作って、句会に参加していました。

その句会の先生の雑誌に何句か掲載してもらっていましたが、その頃の私と母は、俳句雑誌は読まなかったのと、
母は私に読み聞かせをするときに、俳句特有の難しそうな漢字
(紫陽花(あじさい)や薔薇(ばら)や月下美人(げっかびじん)等々)を
飛ばし読みをしていたので、俳句の意味がわからないこともしばしばありました。

また、私の障害の関係で眼球にも ※アテトーゼ運動が強くあり、本や新聞などの小さな文字を読む経験があまりなく、
文字からの情報収集が限られていました。

先生からは
「浩志君、私たちの俳句雑誌『雨月(うげつ)』では、出来るだけ旧かな遣いで俳句を作っていますが、徐々に慣れて下さいね」
と言われたので、箕面の音訳グループの方に俳句雑誌の音訳について相談してみました。

すると
「他市に俳句雑誌等をテープ録音して、視覚障害者の皆さんに郵送している音訳グループがありますが、一度テープを聞かれますか?」
と問われたので、私と母は
「はい。ぜひお願いします」 と二つ返事をしました。

それから30年以上、休日やパソコン作業中にそのテープをBGMとして流すことがあり、
その内容がヒロシのつぶやき等の原稿書きの大きなヒントに繋がることもあります。

『ともさん』は『新聞コラムと社説』『声の雑誌 とも 』等の定期録音物の他に、吹田市社会福祉協議会の広報紙音訳や、
音訳テープリスナーのリクエストにも応じてくれます。
また、吹田市の図書館で視覚障害者の人達を対象とした、対面朗読も行われています。
さらに、リスナーと、『ともさん』会員との交流親睦会を開催されています。

このように視覚障害者や私のような文字をあまり見られない障害のある人達に、
音訳テープを通じての社会とのつながりを支援されています。

文末には『ともさん』から提供いただいたポスターと活動の写真を添付しています。

もっとお知りになりたい方は『音訳グループとも』と検索してみてください。

ここで一句

フルートの 調べさやかな 交流会

さて今回のヒロシのつぶやきはいかがだったでしょうか。

また、このブログのご意見ご要望等がありましたら、当法人のお問い合わせフォームからいただければ幸いです。

では、次回もお楽しみに。

このブログを最後までお読みいただき、ありがとうございました。

担当、髙田浩志

*アテトーゼ運動とは、四肢の不随意運動のこと