「働く」ことを軸に障害者のノーマライゼーションを目指す
大阪府箕面市稲1丁目11番2号

ヒロシのつぶやき「私、大腸がんになっちゃいました!⑧ (退院の準備)」

読者の皆さん、こんにちは。車椅子のヒロシです。

テレビで行楽地の賑わいを見ていると、どこかに出かけたい気分になりますね。

 

さて今回は、退院が決まり、生活を見直したことについてふれたいと思います。

 

これまでとの大きな違いは、術前は一日おきの朝食後に訪問看護師さんが来られ、

二人のヘルパーさんと一緒に長めの浣腸を使って便出しをしていましたが、

ストマ(人工肛門)を装着しましたので、便出しの介助はなくなりました。

 

しかしながら、日々の生活上、気をつけなければならない医療的ケアとして、

ストマが、便や腸内ガス(おなら)等で破裂しないよう3~4時間おきに用具周辺のチェックをしなければなりません。

 

そこで、在宅で関わる「看護師さんやストマに不慣れなヘルパーさん」に、病院の看護師さんから、

用具の説明、便出し方法、万一便漏れが起きたときの対処の仕方や用具の取り扱い等を一つずつ説明・確認してもらいました。

 

それと並行して、食事形態を変更することになりました。

入院当初、私の食事介護の様子をST(言語聴覚士)の先生が見に来られ

「髙田さんの食べ方や飲み方を見ると誤嚥(ごえん)を起こす可能性がとても高いので、

入院中はすべてミキサー食にします」

と言われ、超刻み食からミキサー食になりました。

 

それを聞いた私は、

「何十年もこのやり方で食べたり飲んだりしているのに」と思いましたが、

すぐに「入院中は病院の指示に従うことにして、退院後に訪問歯科の先生に嚥下(えんげ)(飲み込み)状態を診てもらい、

超刻み食に戻してもらうよう頼んだら良いのかな」と思い直しました。

 

そして、管理栄養士に退院後の食事指導を受けることになり、

食事形態について尋ねたところ

「かかりつけの専門医に相談して下さい」

と言われました。

 

それで、退院後にかかりつけの訪問歯科の先生に診てもらえるよう相談員に段取りをつけ、

食事形態やそれ以外の生活面のことなどを決めていき、1カ月の入院をへて無事退院できました。

 

ここで一句

秋高し 笑みに囲まれ 退院す

 

この句は、青空の中で病棟の皆さんに、

退院の挨拶回りをしたときに浮かんだ句です。

季語は『秋高し』で10月頃の空が高く見えた様を表します。

 

 

 

さて今回のヒロシのつぶやきは、いかがだったでしょうか。

また、このブログへのご意見ご要望等がございましたら、

当法人のお問い合わせフォームより、いただければ幸いです。

では、次回もお楽しみに。

このブログを最後までお読みいただきありがとうございました。

 

髙田浩志

 

 

  • ※ST(言語聴覚士):ことばによるコミュニケーションと嚥下(飲み込み)に関するリハビリを担う国家資格
  • ※誤嚥:食べ物や唾液などが、なんらかの理由で、誤って気道に入ってしまう状態
  • ※ミキサー食:食べ物をミキサーにかけ、ペースト状にした食事
  • ※超刻み食:食べ物を小さく刻んで食べやすいサイズにした食事
  • ※管理栄養士:栄養に関する知識と技術を用いて栄養指導・管理をおこなう専門職(国家資格)