「働く」ことを軸に障害者のノーマライゼーションを目指す
大阪府箕面市稲1丁目11番2号

平成29年度(2017年度)事業報告書の総括事項・事業関係事項

Ⅰ.総括事項
 一般財団法人箕面市障害者事業団(以下「本事業団」という。)は、「障害者に適した職種開拓のための調査研究活動や障害者の就労支援及びその実践活動を展開し、障害者の職業的、社会的自立を促進するとともに、事業を通して基本的人権の尊重と市民文化の高揚を図り、市民福祉の向上に寄与すること」を目的として、平成2年度に設立し、平成24年度(2012年度)からは一般財団法人へと移行し各事業を展開している公益法人である。
 なお、本事業団が平成29年度(2017年度)に重点項目として位置づけた取り組みそれぞれにかかる総括を下記のとおり行うものとする。

  1. 障害者職員の高齢化等の諸課題への対応
     平成2年(1990年)に障害者の働く場づくりを始めてから間もなく28年が経過しようとしている。在職している障害者職員の平均年齢が49.2歳(本年3月31日現在)となり、加齢にともなう体力低下、生活習慣病等の個々の職員の体調変化に加え、家族の高齢にともなう支援など、就労場面だけでない個別支援が必要な例が増えてきている。
     平成29年度(2017年度)中においても、20年以上継続就労していた障害者職員(1号職員)2名が体調不良等で就労が困難となり退職することとなった。加えて、これまで従事していた業務を継続することが難しくなっている職員も複数みられる状況となっている。
     本事業団としては、ご家族、相談支援事業所、グループホームなど生活面での支援を担っている事業所等と丁寧な連携のもと、個別の勤務時間短縮や職務内容の変更での就労継続の可能性を探るとともに、個別の支援をしながらも就労継続が困難な場合は、個々の状況に合った福祉的な活動ができる事業所(施設)等への緩やかな移行につなげる支援を心がけているところである。
  2. 職場実習(働く体験)の位置づけの整理と取り組みの拡大
     在宅の障害者、地域の就労継続B型事業所に通所する利用者等に対して実習機会を積極的に提供することを目的として、本事業団の職場実習要綱を大幅に見直した。具体的には、実習開始までの手続きを簡素化するとともに、PDCAサイクルを意識して事前に目的を明確にするとともに、実習後に画像を含めた書面で成果をわかりやすく確認できるようにした。
     これら職場実習の年間を通した受け入れ実績において、前年比の人数で1.6倍、日数で1.8倍となり、より多くの障害当事者の参加提供につながった。今後も、さらなる周知を積極的に図っていきたい。
  3. 地域ニーズを踏まえた、基幹的な役割を担う就労支援機関としての取り組み
     企業等で就労する障害者、障害者雇用をすすめる事業主に対して、平成29年度(2017年度)も引き続き、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく豊能北障害者就業・生活支援センターによる就労支援、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)に基づく就労移行支援(箕面市障害者雇用支援センター)による施設通所を通した支援といった国制度を効果的に活用した就労支援を行った。
     日々の支援にあたっては、ハローワーク、箕面市の労働担当部署(地域創造部箕面営業室)、各地域の市役所・町役場の障害福祉担当部署、各地域の相談支援事業所等と緊密な連携をはかりつつ、障害当事者の職業自立と雇用事業主による障害理解を踏まえた主体的な支援が継続できることを目指して取り組んだ。
  4. 障害者総合支援法等の動きを見据えた、当面の事業見通しの検討
     平成30年(2018年)4月の障害者総合支援法が一部改正で、新たに就労定着支援が創設されるとともに相談支援(相談るうぷ)の報酬の仕組みも見直されることから、当面の本事業団での事業展開のあり方について検討作業を行った。
     これら検討作業については、当該業務を担当する職員だけでなく、全部署で組織横断的に検討作業をするプロジェクトチームメンバーでの議論を通じて理解を深めることを目指した。
     相談支援にかかる改正後の制度は、同一事業所に相談支援専門員を複数配置する事業所が報酬面でも評価される仕組みになっていることから、より多角的な知見に基づいた支援を安定して継続的に提供するためにも、相談支援を担当する職員の増員については、この間の議論を受けて引き続き検討を続けていくこととしている。
     就労定着支援についても、従来の国制度を活用した就労支援に加えて、さらに手厚い支援を提供できる体制を整えるべく制度改正後の職員体制についての検討を重ねた。
  5. 福祉的就労の障害者の工賃向上、社会的雇用の事業所の収益拡大に向けた取り組みなどの間接的な支援の強化・充実
     平成29年度(2017年度)も箕面市内で職業的重度障害者を対象とした社会的雇用の働く場づくりに取り組む事業所に対して箕面市の補助金を得て助成をする等の支援を行った。平成29年(2017年)3月末付けで支援対象事業所のうち1箇所が閉鎖したことから3箇所の事業所に対して支援を行った。
     また、障害者優先調達推進法に基づく市役所からの役務提供等に加えて、民間企業からの受注作業を通じた工賃や収益の向上をめざす取り組みをパイロット事業に位置づけて、障害当事者の職種開拓、職域拡大の可能性を積極的に探り、図書館蔵書の修理作業の受託業務等の新たな業務を開拓することにつながった。

     以上、本事業団設立当初の目的である「地域社会におけるノーマライゼーションの推進」に一層寄与できるよう、今後も全力で取り組んでいく所存であり、引き続き箕面市議会、箕面市を始めとする関係機関、団体の変わらぬご支援ご協力をお願いするものである。

Ⅱ.事業関係事項
 平成29年度(2017年度)は、基本計画(4つの「公益目的支出計画の実施事業」と7つの「その他の事業」)に基づき各事業を実施した。

  1. 公益目的支出計画の実施事業
    (1)障害者市民の雇用促進を図るための調査研究及び相談支援事業

    ア.調査研究
     平成29年度(2017年度)は、調査研究成果を外部に発信することは特段なかったが、年度途中に4名の正規職員が入職したこともあり、内部研修の一環で本事業団設立以降の調査研究成果の概要等を改めて職員間で確認し、今後の調査研究をすすめるうえでの共通理解とする機会を設けた。

    イ.相談支援
     本事業団においては、障害者総合支援法に基づく特定相談支援および児童相談支援、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく障害者就業・生活支援センターにおける相談等、国制度に基づく相談支援にかかる事業を実施しているが、これらの制度に基づかない相談に対しても本部事務所において引き続き柔軟に対応した。
     また、市内在住障害者を対象に「働く体験」を本事業団の障害者雇用現場で受け入れるための相談と現場との調整も行った。

    (2)障害者市民の職種開拓、職域拡大を図るための職種開拓事業(パイロット事業)

    ア.ビルメンテナンス事業
     箕面市立リサイクルセンターにおける清掃業務を実施した。

    イ.アートショップ「グリーンるうぷ」運営事業
     障害者団体や障害当事者が制作した絵画や陶芸、さをり織り製品等の障害者アート作品について、箕面市内外の23団体の代行販売を行う「アートショップグリーンるうぷ」の運営を行った。店舗業務に従事するスタッフが確保できない等の理由から11月以降は、店舗での販売業務は豊能障害者労働センターに委託することで販売を継続させることとした。

    ウ.その他のパイロット事業
     障害者優先調達推進法に基づく市内障害者事業所の、工賃や収益の向上をめざす取り組みの「調整役」として、各団体に呼びかけて新たな受託業務の試行実施を行う等、引き続き職種および職域の拡大に向けた可能性を探る取り組みを迅速かつ柔軟に実施することを心がけた。

    (3)障害者市民の職域拡大を図るための助成事業及び職種開拓育成事業

    ア.障害者雇用助成事業
     箕面市の補助金を得て、本事業団の職種開拓育成事業の適用を受けた3事業所に対し助成を行った。

     豊能障害者労働センター 53,000千円
     障害者の働くパンハウスワークランド 20,033千円
     箕面市障害者共働事業所たんぽぽ 16,982千円

    イ.職種開拓育成事業
     本事業団職種開拓育成事業実施要綱に基づき、自主的に職種開拓事業を実施する民間団体に対し、本事業団独自の支援を行った。

    (4)障害者問題並びに人権問題の啓発に関する事業

    ア.障害者問題啓発事業
     箕面市からの受託事業として年間3回の啓発講座を開催し、延べ390名の参加者があった。
     講座の企画段階から全部署で組織横断的に取り組むプロジェクト チームで検討し、これまでの参加者アンケート等を通じて届けられた意見を踏まえ、これまで平日夜間に実施していたものを、一部は平日の日中時間帯で開催することとした。結果として、昨年度比2.05倍の参加者があり、多くの市民とともに障害当事者が地域生活を送るうえでの諸課題について考える機会となった。
     また、講座名称についても委託元と協議して「みんなで考える障害者福祉啓発講座」と変更して開催した。
     なお、各講座の開催内容は次のとおりであった。

     全体テーマ 「当たり前に暮らすために~地域での『つながり』について考える~」

    【第1回】
    テーマ:『本人中心の就労支援と生活支援の連携について考える~箕面に住むTさんの支援を通して~』
    日 時:平成30年(2018年)1月30日(火) 午後6時30分から午後8時30分
    場 所:箕面市立障害者福祉センター「ささゆり園」プレイルーム
    コーディネーター:尾﨑 剛志氏(湊川短期大学人間生活学科生活福祉専攻 教授)
    シンポジスト:寺田 裕子氏、浦松 伸雄氏(社会福祉法人大阪府社会福祉事業団)、内藤 恵子氏(豊能北障害者就業・生活支援センター)
    参加者:85名

    【第2回】
    テーマ:『箕面市の支援教育における通級指導教室~小中学校の事例を通して~』
    日 時:平成30年(2018年)2月15日(木) 午後3時00分から午後5時00分
    場 所:箕面市立障害者福祉センター「ささゆり園」プレイルーム
    講 師:上田 憲一氏(箕面市教育委員会子ども未来創造局人権施策課 参事)、潮田 明美氏(箕面市立豊川南小学校 教諭)、吉野 猛 氏(箕面市立第二中学校 教諭)
    参加者:110名

    【第3回】
    テーマ:『親なきあとのために今できる手続き~相続やライフプラン・老後必要な資金や制度について~』
    日 時:平成30年(2018年)3月15日(木) 午後3時00分から午後5時00分
    場 所:箕面市立障害者福祉センター「ささゆり園」プレイルーム
    講 師:鹿野 佐代子氏(ファイナンシャルプランナー)
    参加者:195名

    イ.ホームページによる情報発信
     公益法人としての情報公開と、事業内容等の情報発信を行った。ただ、本事業団がホームページで情報発信を始めた平成18年(2006年)以降、適宜内容を更新しているものの、全体構成の見直し等の刷新ができていなことが課題となっている。障害当事者を含む市民のスマートフォン等をはじめとするインターネット利用状況が大きく変化していることを踏まえて、ホームページを活用した情報発信のあり方も大幅に見直す必要があることから、次年度以降での対応が求められる。

    ウ.その他の広報・啓発活動等
     市新規採用職員の現場体験研修と市新任監督者の福祉体験研修をリサイクル事業と緑化推進事業、「箕面市障害者雇用支援センター」の現場で、それぞれ受け入れた。
     「箕面市障害者雇用支援センター」を軸に就労支援課において、社会福祉士国家試験の受験に必要な24日間180時間におよぶソーシャルワーク実習として大学生の受け入れを行った。学生への指導を通して、支援業務のマネジメントスキルの向上の機会にすることもできる有意義な機会となった。
     他府県から箕面市へ行政視察に訪れた視察者へ、箕面市の社会的雇用について説明する機会に同席し、資料に基づき説明をして意見交換を行った。
     総合保健福祉センター(みのおライフプラザ)のアトリウムにて実施された「ライフプラザ夏祭り」「ライフプラザ冬祭り」に出店し、広く市民に対して本事業団の取り組みの周知を図った。

  2. その他の事業
    (1)障害者市民の就労の場の確保及び実習を通した職域拡大を図るための受託事業

    ア.緑化推進事業
     箕面市内の公園花壇管理業務及び「ライフプラザ複合施設他植栽緑化管理業務」等を受託し、5名の障害者職員と共に業務を行った。

    a  箕面市都市公園花壇管理等事業
     箕面市から委託された公園花壇管理を行い、箕面市内の公園、街路樹枡等、80箇所の花壇管理を実施した。新たに彩都地区の遊歩道の街路樹枡の管理等が加わるなど新規の作業箇所が加わった反面、夏季に実施する4箇所の公園での芝生潅水作業が終了する等の受託作業の変化への対応が求められた。合計47,378本の花苗を植栽し、地ごしらえ、植えつけ、灌水、除草、追肥、消毒等、障害者に合った工程を工夫し、多様な作業を行った。また、実習については、4名に対し31日間(前年比の人数で2名増、延べ日数11日間増)実施した。

    b  公共施設内緑化推進事業
     箕面市内の公共施設内に設置されている花壇に合計19,332本の花苗の植栽を行い、また観葉植物のリース入替え作業を5件、延べ60回行った。また、実習については、3名に対し32日間(前年比の人数で1名増、延べ日数15日間増)実施した。

    c  その他の緑化推進事業
     箕面市内の民間事業所の観葉植物のリースの入替え作業を13件、延べ156回行い、箕面市内のマンション自治会が企画するイベント等に障害者事業所が参加できるように調整を行った。

    イ.リサイクル事業
     箕面市立リサイクルセンターにおける資源ごみ選別業務を受託し、8名の障害者職員と共に業務を行った(内、ビルメンテナンス1名)。
     資源ごみのうち空きびんは総搬入量896.61t(およそ91.5万本分)を680.46t(およそ69.4万本分、残渣ごみ・混ガラスを差し引く)の白、茶、その他の色のカレットに選別した(再資源化率75.6%)。
     また、空きかんは総搬入量244.98t(複数種類のゴミを持ち込まれた際に、カンとして計量されていないものが搬入・処理されるため。総選別量は234.84t)を、140.35tのアルミ(およそ936万本分)、94.49tの鉄(およそ315万本分)に選別した(再資源化率95.9%)。
     全体では80.2%の再資源化に寄与することができた。

    【空きびん・空きかんの本数換算について】
     ・空きびん⇒980g(1.8L、1本分)・アルミ缶⇒15g(350ml、1本分)・鉄缶⇒30g(180ml、1本分)を基準に換算した。

     本事業において、収集される空きびんの種類が多様化することによる選別業務の困難さが継続課題となっているが、判別をしやすくするために仕分ける空きびんを種類ごとに具体的に見本として掲示するなどの工夫により対応している。
     また、当該作業現場には、しばしば在宅医療廃棄物の混入し障害者に安全な業務を提供することに支障がでたことから、委託元である箕面市に対して継続的な市民啓発に取り組んでもらえるように働きかけた。

    ウ.その他の受託事業
     箕面市総合保健福祉センター(みのおライフプラザ)の事務所フロアを中心とした、ごみ回収作業の一部を箕面市内の事業所に通所する障害者の工賃向上、社会的雇用の事業所の収益拡大を目的に、本事業団が受注量の調整を行う取り組みを通年で行った。
     また、市内民間事業所敷地内の除草作業についても、障害者の工賃向上等の可能性を検証すべく、本事業団の直接雇用現場の障害者職員と共に作業を受託した。

    (2)ジョブコーチ(職場適応援助者)による支援事業等、就労支援事業

    ア.就労支援事業
     「喫茶るうぷメイプルホール店」において、本事業団が運営する就労移行支援事業(箕面市障害者雇用支援センター)の利用者に対して、4名、延べ89日間(前年比の人数で1名減、延べ日数22日間減)にわたり接客業務等の店舗内作業を実践的なトレーニングの場として提供した。挨拶や接遇、手洗いの徹底等の衛生面での大切さを確認するだけでなく、食器洗浄等の作業については日常生活でも役立つスキルでもあるため、作業体験を通して自信を高める効果が期待できる取り組みとなっている。「喫茶るうぷメイプルホール店」の来店客数が逓減傾向になることから、次年度からは定休日を増やして土日以外の平日は火曜日、水曜日、金曜日のみの営業となるが、今後も事業団が実施する就労支援の特色の一つとして引き続き実施していくものとする。

    イ.職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援事業
     就労支援に関する一定の実務経験に加えて、所定の研修を受講した職場適応援助者(ジョブコーチ)が、企業現場等に出向き、障害者の職場定着に向けた支援を行うものである。平成29年度(2017年度)については、担当職員の退職により4月のみの活動となり、4名に対して計3日間の支援を行った。
     平成30年度(2018年度)から開始される就労定着支援事業と、従来から実施している就労移行支援事業に加えて、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援制度も合わせて活用することで、企業現場の手厚い支援につながる可能性も言われている。これらの取り組みを効果的に提供するためにも、現場での実務経験が豊富な職員を育成するとともに、計画的に所定の資格研修の受講を促していくことが当面の課題といえる。

    (3)障害者就業・生活支援センター運営事業(名称:豊能北障害者就業・生活支援センター)

     障害者の雇用の促進等に関する法律の規定に基づき、箕面市、池田市、豊能町及び能勢町に在住する障害者に対しての就業面での支援と、就業に伴う日常生活、社会生活上の支援を関係機関との連携のもと一体的な相談支援を行うため、平成20年(2008年)12月から本事業団が、大阪府知事から指定を受け事業を実施しているものである。
     年々増える登録者数と多様化する障害者の一般就労に向けたニーズに応えるべく事業を展開しており、平成29年度(2017年度)については、新規に61名の登録、年度末時点での登録者数は前年度末から45名増えて、494名となった。来所による相談だけでなく、企業現場や関係機関に出向くなど、年間を通して5,677件の支援を行った。当センターが支援を行った新規の就職件数は36件あり、年度末時点において登録者のうち企業等で働いている人は、この1年間で32名増えて272名(就労継続A型支援事業(※)で福祉サービスを受けながら働いている人を除く)となっている。
     学校在学中の段階から、卒業後の就職を見据えた相談ニーズが高まっていることを踏まえて、夏休み期間に障害当事者、家族、学校関係者、支援機関職員を対象に、就職している当事者や障害者雇用事業主のインタビュー、地域の就労支援機関の照会を行うセミナーを開催し103名の参加があった。また、企業等で就労する障害者の交流会活動を継続的に実施した。ホテル従業員に講師を依頼したテーブルマナー学習会、あかつき福祉会の納涼祭における綿菓子の模擬店出店などのアクティビティ、茶話会など、内容を豊富化するだけでなく実施する曜日や時間帯についても幅広いニーズに応えられるものを年間6回企画、うち台風接近による中止を除いて5回実施し延べ159名の参加があった。

    (※)企業等に就労することが困難な障害者に対し、雇用契約に基づき生産活動などの機会の提供、能力向上のための訓練などを提供する取り組み

    (4)「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービス事業である就労移行支援事業(名称:箕面市障害者雇用支援センター)

     障害者総合支援法の規定に基づき、原則2年以内の施設通所の関わりを通して企業での就職に向けた支援をするものである。
     平成29年度(2017年度)は、通年で239日にかけて利用定員20名の事業を実施し、34名、延べ3,641人日の障害者に対して支援を実施し、利用契約を終了した20名のうち15名が企業での就労を実現させることができた。普通高校、短期大学、大学等の卒業者や短い期間ながらも企業就労経験がある人の利用を関係機関との連携のもと積極的にPRを続けた結果、利用者数が堅調に推移した前年度とほぼ同じ人数(一日あたり利用者数は前年度比0.28人減)の利用者に対して支援を提供することができた。
     また、見学会を随時実施するとともに、就労継続B型事業の利用希望者への就労面のアセスメント(※)等、特別支援学校高等部在学中の生徒の体験的な利用として、年間で10名に対してのべ65日間の受け入れを行った。

    (※)障害者総合支援法及び関連法令に基づき、就労経験がない者が就労継続支援B型事業(企業等に就労することが困難な障害者に対し、生産活動などの機会の提供、能力向上のための訓練などを提供する取り組み)を希望する利用者は、就労移行支援事業所等の通所利用を通じて、個々の障害者の能力が最大限に発揮できるように一般企業での就職の可能性等の就労面でのアセスメントをすることが求められている

    (5)「障害者総合支援法」に基づく指定計画相談支援事業(名称:相談るうぷ)

     障害者総合支援法及び児童福祉法に基づき、障害福祉サービスを利用するにあたって必要な「サービス等利用計画案(障害児支援利用計画案)」を作成するなどの計画相談支援(障害児相談支援)を行った。
     平成29年度(2017年度)末時点での契約者数は36名(うち児童は10名)となっている。うち2名が本事業団のサービス利用者であった。平成29年度中に、訪問や来所による相談を335件、電話や見学同行、その他の支援を843件、合計1,178件の支援を行った。
     相談の実施にあたっては、障害福祉サービスを提供している各事業者、基幹センターである箕面市健康福祉部障害者支援室との連携、障害児の支援においては学校等の教育機関との連携のもと、家庭訪問や関係機関の訪問、ケース会議を積極的に行った。また、箕面市地域自立支援協議会の相談支援部会、権利擁護部会での参画や日頃の支援を通じて、行政、障害福祉サービス事業者等との連携にも努めた。
     また、事業開始から丸2年が経過し、相談支援専門員一名のみの組織体制は、支援の継続性および客観性の担保に大きな課題があることを認識するようになり、平成29年度(2017年度)は年度途中から他業務との兼務でありながらも複数の相談支援専門員で対応できる体制を整えることとした。今後は、複数職員を配置することによる効果的な役割分担等を意識しながら支援業務に向き合っていくこととする。

    (6)障害者市民の就労の場の確保と目的達成に必要な財源を確保するための喫茶店運営事業

     「喫茶るうぷみのおライフプラザ店」の運営を行い、2名の障害者職員と共に業務を行い、年間を通して293日間運営するとともに、みのおライフプラザ敷地内の自動販売機の常設設置機について、自動販売機設置会社との連携のもと、飲料等の販売管理を行った。実習については、4名に対し延べ38日間(前年比の人数で1名増、延べ日数19日間増)実施した。
     ほかに、支援学校中等部の職場体験実習の受け入れ事業所となり、生徒1名に対して2日間、喫茶店の店舗業務での就労体験機会を設けた。
     喫茶店店舗営業日一日あたりの平均売上収入額が今年度も前年比1,307円減少するなど逓減傾向となっている。その打開策として、これまでの施設での定例イベントへの参画に加えて、幼児向けメニューの検討などを行った。来年度以降に、隣接する「緑の広場」に子ども向け遊具が設置されることから、来館者動向を見極めて売上向上につながるメニューの提案等をしていく予定である。

    (7)障害者市民の就労の場の確保と目的達成に必要な財源を確保するための物品販売事業

     箕面市の公共施設内等に自動販売機を設置し、常設機が延べ65台で691箇月、公共施設改修等の工事現場への設置、夏季市民プール施設内の設置等の期間限定での設置機が延べ9台で34箇月、それぞれ自動販売機設置会社との連携のもと、飲料等の販売管理を行った。
     なお、設置したすべての自動販売機には、その売上が障害者の雇用促進に寄与するための財源となることを周知するため、ステッカーを貼付し、広く市民に利用してもらうように理解を求めた。

  3. 事業以外の事項
    (1)会費

     本事業団の事業活動を支援いただく方に賛助会員として広く協力を依頼し、個人会費(1口500円)として47件、342口、計171,000円、団体会費(1口3,000円)として19件、61口、計183,000円を会費として受領した。

    (2)寄付金

     匿名による1,000,000円の寄付金を受領する機会があり、障害者職員の健康管理に役立てるための体組成計の購入費用、および老朽化していたリサイクルセンターの障害者職員をはじめとする通勤送迎用のワゴン車の買い替え購入財源の一部に充当させていただいた。