「働く」ことを軸に障害者のノーマライゼーションを目指す
大阪府箕面市稲1丁目11番2号

令和6年度(2024年度)事業報告書の総括事項・事業関係事項

Ⅰ 総括事項
一般財団法人箕面市障害者事業団(以下「本事業団」という。)は、障害者の職業的、社会的自立を促進するとともに、事業を通して基本的人権の尊重と市民文化の高揚を図り、もって市民福祉の向上に寄与することを目的として設立された公益法人です。
 
令和6年度の本事業団は、中期運営計画に沿って、各事業が安定的に運営できるよう、引き続き収支改善に向けた取り組みをすすめました。
以下に、令和6年度事業計画において重点項目に位置付けた3項目について、総括します。

  1. 多様化する地域ニーズへの対応
    多様化する地域ニーズの把握と必要な対応について検証しつつ、箕面市障害者雇用支援センター利用者の安定的な確保に努めました。

    ➀支援環境の変化への対応
    地域ニーズの変化について、関係機関と連携して情報収集を行うとともに、本事業団ホームページを活用した情報発信や地域各所へのチラシ設置を継続し、PR活動を積極的に実施しました。あわせて、PC訓練環境の整備をはじめ、訓練メニューの強化を行いました。

    ➁制度改正への対応
    令和6年度障害福祉サービス等報酬改定への対応とあわせ、就労移行支援事業の定員変更を実施し、効率的に運営できる体制を整備しました。また、「就労選択支援」についての情報収集を継続的に行いました。

    今後も、多様化する地域ニーズの把握と掘り起こしに努め、魅力ある訓練の提供ができるよう取り組んでいきます。

  2. 環境クリーンセンター受入対応等業務の安定運営
    事業開始2年目の「環境クリーンセンター受入対応業務」を、関係各所と連携のもとで事故なく安全かつ円滑に運営しました。

    ➀円滑な事業運営
    箕面市、荏原環境プラントと3者で、主に安全な作業環境を整えるための連絡会を毎週、業務運営上の課題について議論する定例会を毎月実施し、さらなる連携の強化を図りました。また、事業開始から勤務する箕面市OB人材を軸に、今年度も随時職員採用を行い体制強化するとともに、全体の作業熟度の向上に取り組みました。

    ➁引き続き、重度障害者の職域拡大を図る
    前年度の検証結果を踏まえ、令和6年5月からペットボトル選別業務を市内障害者事業所へのワークシェアを開始しました。また、中期運営計画では令和7年度としていた障害者職員の新規採用を前倒しし、令和6年11月に1名を採用しました。

    今後も、重度障害者の働く場として安定運営できるよう、さらなる安全な作業環境の構築と現場の総合力向上への取り組みを継続していきます。

  3. 組織基盤の安定に向けて

    ➀継続雇用職員制度の定着を図る
    今年度から継続雇用職員として働く障害者職員に対し、必要な支援を行いました。また、今年度末に定年を迎える障害者職員に対しても、意向を反映しつつ柔軟な働き方ができるよう、本人はじめ家族等と会話を重ね検討しました。
    あわせて、業務遂行に必要な体制についても検討し、2号職員の採用活動を実施しました。

    ➁中期運営計画の進捗管理
    各事業の実施状況を事務局会議等で共有し、着実に履行できるよう進捗管理を行いました。
    上記以外の各種取り組みとあわせ、本年度の事業活動収支差額は2,316万円の黒字となり、前年度に引き続き積立金の積み戻しを行いました。次年度以降も中期運営計画に沿って、安定運営に向けた取り組みを着実に実施していきます。
    以上のとおり、本事業団設立当初からの目的である地域社会におけるノーマライゼーションを推進するため、本年度も職員が一丸となって、組織基盤の強化に取り組んできました。
    この歩みを止めることなく、次年度以降も各事業を着実に実施していきます。

Ⅱ 事業関係事項
令和6年度の事業計画に基づき、以下のとおり各事業を実施いたしました。

(1)障害者の雇用促進を図るための調査研究及び相談支援
ア.調査研究
ホームページに障害者職員の仕事や暮らしぶりを紹介するブログ(ヒロシのつぶやき)を定期的に掲載し、障害者職員の日常生活等を通し、当該職員の想いを発信しています。時折「俳句」を詠んでいます。一読してみてください。

イ.相談支援
本事業団は、「障害者雇用促進法」や「障害者総合支援法」、「児童福祉法」に基づく大阪府知事、箕面市長の指定を受け、相談事業を実施しています。これらに加え、事業団独自の取り組みとして、市民からの「相談」も本部事務所において、随時、対応しています。
また、「働く体験の機会」を提供する職場実習についても、市内障害者事業所等との連携のもと、7名の実習生に対し、合計63日間実施しました。

(2)障害者の職域拡大を図るための助成事業及び職種開拓育成事業
ア.アートショップ「グリーンるうぷ」運営事業
豊能障害者労働センターが運営する「福祉ショップゆっくり」の店舗スペースとして活用しました。

イ.障害者雇用助成事業
箕面市の補助金を得て、本事業団の職種開拓育成事業の適用を受けた3事業所に対し助成を行いました。
豊能障害者労働センター
障害者の働くパンハウスワークランド
箕面市障害者共働事業所たんぽぽ

ウ.職種開拓育成事業
本事業団職種開拓育成事業実施要綱に基づき、自主的に職種開拓事業を実施する市内障害者事業所に対し、本事業団独自の支援を行いました。

エ.その他のパイロット事業
a)図書館資料修理等業務
箕面市内の福祉施設等の収益や工賃向上を目的に、本事業団が「調整役」となり箕面市教育委員会から業務を受託し、市内3事業所へシェアしています。内容的には、合計2,910冊の補修、1,050冊のカバー装着、3,810冊の貸出管理用ICタグを再利用するための切り取り作業を、それぞれ円滑に実施できるよう調整しました。

b)みのおライフプラザ清掃業務
箕面市内の福祉施設等の工賃向上を目的に、「みのおライフプラザ」の事務所フロアを中心とした「ごみ回収作業」の一部を本事業団が受託し、市内3事業所にシェアし、通年で239日間実施しました。

c)資源ごみ回収業務
重度障害者の職域拡大を目的に、市内の公共施設に限定した資源ごみの回収事業を通年で実施しました。53施設から排出された資源ごみ、新聞紙3,960kg、雑誌78,945kg、ダンボール77,890kg、紙パック7,800kgの合計168,675kg(2t収集車約84台分)を回収しました。

d)環境クリーンセンター事業
箕面市環境クリーンセンターにおいて、市民等が搬入する廃棄物の受け入れや手数料の精算、再資源化のための分別、ペットボトルの減容などの業務を、障害者職員を中心に職員が一丸となって実施しました。対象処理物8,546tの受け入れ、分別作業を行った結果、ペットボトル259t、ダンボール122t、新聞古紙99tなど合計2,114t(搬入量の約25%)の再資源化に繋げました。
また、令和6年5月からペットボトル選別業務の市内障害者事業所へのワークシェアを開始するとともに、令和6年11月には障害者職員1名を採用しました。
あわせて、重度障害者が担える業務の検討をすすめる中で、箕面市・荏原環境プラントと連携して水耕栽培と陸上養殖を同時に行う「アクアポニックス」の試行事業を開始しました。

e)その他のパイロット事業
上記のaからdの取り組み以外にも、『優先調達事業等調整会議』を1回開催し、重度障害者の職域拡大につながる取り組みとして、令和6年度から環境クリーンセンター事業でペットボトル選別業務のワークシェアを開始するために、市内障害者事業所との調整を行いました。

(3)障害者理解を深めるための啓発活動
ア.障害者福祉啓発講座
箕面市からの受託事業として、広く市民を対象とした啓発講座を年間3回開催し、合計100名の参加がありました。
前年度に引き続き、多くの市民が安心して参加できるよう、来場者の間隔を確保できる会場で基本的な感染対策を講じての開催や、Zoomによるオンライン同時配信も行いました。
なお、各講座の開催実施結果は次表のとおりです。

みんなで考える障害者福祉啓発講座
1回目 日時 令和6年(2024年)12月26日(木)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター多目的室1(501)
テーマ 『ろう者のオリンピック~東京2025へ~デフリンピックの魅力』
講師 前島 博之 氏 【競技:陸上、ゴルフ】鳥取県立鳥取聾学校教諭
前島 奈美 氏 【競技:バレー】
参加者 33名
2回目 日時 令和7年(2025年)2月25日(火)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター6階多目的室3A3B(605.606)
テーマ 『障害者が安心して暮らすための災害時の備えについて考えてみようその2』
講師 後藤 至功 氏 佛教大学専門職キャリアサポートセンター講師
参加者 42名
3回目 日時 令和7年(2025年)3月21日(金)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター6階多目的室3A3B(605.606)
テーマ 『読書をより身近に~誰もにやさしい本「LLブック」がある~』
講師 藤澤 和子 氏 びわこ学院大学 教育福祉学部教授 
参加者 25名

イ.ホームページ等による情報発信
財務諸表等の公表や本事業団の活動を紹介する情報ツールとして活用しています。
また、重度障害者職員が当事者目線で感じたことを自らブログ記事にし、定期的に発信しています。加えて、各事業からの情報発信にも積極的に活用しています。
また、本事業団の近況を端的にまとめた「事業団ニュース」を作成し、関係機関に送付しました。

(4)障害者の就労の場の確保及び実習を通じた職域拡大を図るための受託事業
ア.緑化推進事業
a)箕面市都市公園花壇管理等事業
箕面市から委託された箕面市内の公園花壇やプランター、街路樹枡等の花壇管理を障害者職員を中心に行いました。ここ3年間の実績は以下のとおりです。

花壇の植栽を含む管理業務 街路樹枡等の除草箇所 市内全域合計
西部地域 中部地域 東部地域
令和4年度 18箇所
14,428本
24箇所
20,497本
13箇所
11,745本
16箇所 71箇所
46,670本
令和5年度 17箇所
15,240本
22箇所
19,428本
14箇所
12,045本
13箇所 66箇所
46,713本
令和6年度 17箇所
14,100本
22箇所
20,568本
14箇所
12,045本
13箇所 70箇所
46,713本

なお、緑化事業の各現場で共通して言えることですが、通りがかった市民の皆さんから「ご苦労さま、ありがとう」と声をかけていただくことで、元気に業務を行うことができました。
公園花壇管理では、体力に合わせて工程を工夫した多様な作業を行いました。夏場の酷暑下での屋外作業は、従事する障害者職員の体調や作業時の安全確保には最大限の注意を払いつつ業務を遂行しました。
令和6年11月には障害者職員1名を採用しました。また、令和7年3月末、障害者職員1名が定年を迎えました。勤続34年10か月。なお、定年後も「継続雇用職員」として活躍される予定です。

b)公共施設内緑化推進事業
箕面市内の公共施設内に設置されている花壇に合計19,322本の花苗の植栽及び敷地内の除草や屋内清掃、芝の管理を障害者職員を中心に行いました。あわせて、観葉植物の入替え作業を5件、合計60回行いました。

c)その他の緑化推進事業
箕面市内の民間事業所の観葉植物の入替え作業を10件、合計120回行いました。

イ.リサイクル事業
箕面市立リサイクルセンターにおいて資源ごみ選別業務を受託し、障害者職員を中心に職員が一丸となって処理を行いました。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

【空きびん・空きかんの本数換算について】
・空きびん⇒980g(1.8L 1本分)
・アルミ缶⇒15g(350ml 1本分)
・鉄缶⇒30g(180ml 1本分)で換算しています。

空きびん 空きかん 全体での再資源化率
アルミ
令和4年度 667.05t
(68.1万本)
159.02t
(1,060万本)
92.96t
(310万本)
90.6%
令和5年度 720.77t
(73.5万本)
152.36t
(1,016万本)
90.10t
(300万本)
96.0%
令和6年度 639.52t
(65.3万本)
148.24t
(988万本)
82.96t
(277万本)
94.2%

ウ.ビルメンテナンス事業
箕面市立リサイクルセンターにおけて清掃業務を受託し、障害者職員を中心に実施しました。

(5)障害者の一般企業等での就労と、地域での生活を支えるための相談支援事業
ア.豊能北障害者就業・生活支援センター
就業面の支援と、就業に伴う生活面の支援を実施しました。新たに26名の登録があり、登録者は昨年度から10名減の612名になりました。来所、企業現場や関係機関への出張、電話等での相談など3,505件の支援を行い、新規の就職18件、職場実習のあっせんは40件、年度末時点の登録者のうち、企業等で働いている人は、3名増えて393名となっています。
ここ3年間の実績は次表のとおりです。(登録者数、企業等での就労者数は各年度末)

登録者数 新規就職者数 企業等での就労者数
令和4年度 612名 36名 366名
令和5年度 622名 37名 390名
令和6年度 612名 26名 393名
なお、障害当事者含む幅広い層を対象にしたセミナーを計7回開催し合計179名、北摂地域5箇所の障害者就業・生活支援センターと合同開催した企業を対象としたセミナーに54名の参加がありました。また、在職中の登録者を対象とする交流活動を4回実施し、合計57名の参加がありました。

イ.箕面市障害者雇用支援センター
a)就労移行支援事業(定員10名)
通年で、243日間の支援を行い、5名の企業就労が実現しました。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

実施日数 延べ利用者数 一日平均
利用者数
就職者数 定員
令和4年度 241日 2,894人日 11.9名/日 10名 12名/td>
令和5年度 240日 2,098人日 8.7名/日 7名 12名
令和6年度 243日 1,698人日 7.7名/日 5名 10名/td>

b)就労継続支援B型事業(定員10名)
関係機関への積極的なPR活動の成果として、年度末までに新たに5名と契約するなど、徐々に利用者が増えています。通年では243日、延べ1,404人名の利用がありました。喫茶るうぷメイプルホール店を活用した接客等の店舗業務、調理や買い物等の社会体験を、就労移行支援事業の利用に向けたステップアッププログラムとして実施しています。

c)就労定着支援事業
本年度は、16名に対して合計156件の支援を行いました。今後、法令で定められた就職後3年6か月の支援期限に達した人に対しては、「障害者就業・生活支援センター」に引き継ぐなど、切れ目のない定着支援を行っていきます。

ウ.特定相談支援事業、障害児相談支援(相談るうぷ)
サービス等利用計画(障害児支援利用計画)の作成ほか、福祉サービスの利用状況の確認(モニタリング)などの相談支援を行いました。契約者は33名(うち児童8名)になりました。訪問や来所による相談を年間で225件、また、電話や見学同行、その他の支援を1,578件、合計1,803件行いました。
相談にあたっては、関係機関との連携のもと、サービス担当者会議を開催するほか、本人中心のチームづくりを構成して向き合っています。

(6)本事業団の目的達成に必要な財源を確保するための収益事業
ア.喫茶店運営事業
「みのおライフプラザ」内で障害者職員を中心に年間243日間、喫茶店舗を営業しました。お客さまに安心して利用してもらえる店舗運営を心がけました。
また、「みのおライフプラザ商店街」のPRを目的に、関係者と実行委員会を立ち上げて企画した「ライプラまつり」を10月に実施しました。本事業団は屋台と輪投げを出店し、来場者に楽しんでいただきました。

イ.自動販売機設置管理事業
市内公共施設等に自動販売機を設置し、常設機が合計85台で1,009箇月、市民プール等期間限定での設置機が合計2台で4箇月、それぞれ飲料販売会社との連携のもと販売管理を行いました。あわせて、関係先と調整を行い、新たに5台を設置しました。

(7)法人管理部門
 「中期運営計画」の進捗管理など、法人全体にまたがる業務について、各事業と連携して行いました。

*本事業団賛助会員の状況
本事業団の賛助会員として広く協力を依頼し、個人会員、団体会員より以下のとおり会費を受領しました。心からお礼申し上げます。会員の皆様には、今後も継続的なご協力をお願いいたします。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

個人会員
(1口500円)
団体会員
(1口3,000円)
令和4年度 42件 208口 16件 55口
令和5年度 39件 211口 17件 56口
令和6年度 31件 165口 16件 51口