令和3年度は、前年度から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延により、長期間に亘り緊急事態宣言下での事業運営となりました。喫茶店舗の一時休業や公共施設の休館に伴う自動販売機収入の減少など、本事業団も大きな影響を受けました。こうした中、「雇用支援センター」での就労継続支援B型事業の開始や、市内公園等への自動販売機の設置拡大など、財政再建への取り組みに着手したこともあり、事業収支への影響は最小限にとどめることができました。
令和4年度は、さらに、財政再建の取り組みを進め、緑化事業などの受託事業や一般就労に向けた各事業が安定的に運営できるよう、財政基盤の強化に努めます。また、令和5年度末から1号職員が、漸次、定年を迎えるにあたり、就労継続を希望する場合に必要な人事制度について検討を進めます。
本年度の就労移行支援事業は、コロナ禍の影響により過去2か年の実績で報酬単価が決定されます。見込みでは、報酬単価は低ランクとなり事業収入は減少しますが、「箕面商工会議所」経営相談での助言を活かしながら、利用者の確保と企業就労に一定人数以上を繋ぐことで、令和5年度では高ランクの報酬単価をめざします。
喫茶店運営事業においては、「箕面商工会議所」に指導を仰ぎながら「ライフプラザ店」の経営改善を進め、前年度に実施した利用客アンケートで把握した顧客ニーズに応えるとともに、経費の最適化による収支の改善を図ります。
物品販売事業においては、収益が見込める自動販売機の設置箇所の更なる開拓に向けた情報収集に努めるなど、積極的かつ機動的に対応していきます。
また、「アートショップグリーンるうぷ」においては、市内の障害者事業所と連携した新たな活用方法による運営をめざしつつ、本事業団自主事業との協調も図っていきます。
さらに、障害者優先調達推進法を活用し、共同受注による市内障害者事業所の収益アップや利用者の工賃向上に寄与することを目的に、行政・企業等への物品納入業務や役務の提供等に関する情報の収集に努めます。また、事業の実施にあたっては必要に応じて「(仮称)優先調達事業等調整会議」を開催することとします。
管理事業においては、将来を見据えた経費負担の低減策について検討を進め、車両や機器の更新を計画的に行います。
各事業の実施にあたっては、本事業団の原点である、地域に根ざし「働く」ことを核にした障害者の就労支援、及びその実践活動の重要性をしっかりと認識し、社会状況の変化に応じた柔軟な事業展開ができるよう、運営体制の強化にも取り組んでいきます。
(1)雇用支援センターの取り組み強化
①就労移行支援事業・就労継続支援B型事業の利用者の確保
・支援機関や支援学校等へ積極的にPRし、利用者を確保
・豊能北障害者就業・生活支援センターと連携した利用希望者の掘り起こし
・利用期限を迎えるB型利用者の円滑な就労移行への引き継ぎ
・ホームページを活用した日々の取り組みの情報発信
・利用者や地域のニーズに合った訓練メニューの拡充
②企業就労への取り組み強化
・豊能北障害者就業・生活支援センターと連携した求人等の情報収集
・利用者に合った企業実習や面接機会の提供
・雇用支援センター定着支援事業利用者への就労継続支援の着実な実施
(2)喫茶るうぷライフプラザ店の収益改善
①箕面商工会議所との連携
・ターゲット層のニーズに合った顧客サービスの拡充
・損益分岐点を意識した経営状況の分析
②SNSを活用した情報発信
(1)「(仮称)優先調達事業等調整会議」を通した関係機関との連携強化
①市内障害者団体等との新たな連携体制の整備
・市内障害者事業所等への間接的支援として行政や企業との調整役となり、工賃の向上につながる事業所収益の確保
②「アートショップグリーンるうぷ」の共同利用による取り組みの実施
・本事業団が実施する自主事業との連携も模索
(1)1号職員の継続雇用と人材の確保
①定年後の継続雇用制度の創設
・職員就業規則等に関係規定を整備
・継続雇用の状況を見据えた新規採用計画の策定
(2)管理部門の強化と業務分担の最適化
①経常経費の低減策の実施
・事務機器の計画的なリースや車両の延命化による経費の削減
②給与制度運用の適正化
・2号職員にかかる経過措置の継続
・1号職員の継続雇用にかかる給与基準の検討
③「仕事調べ」を活用した階層別業務の明確化と計画的な人材育成
・円滑な業務引継ぎへの活用
・定期的に内容を振り返ることによる業務の最適化
※「仕事調べ」とは…各課における階層別の業務についてまとめたツール
なお、上記の重点項目のほか、職種開拓事業、障害者雇用助成事業、職種開拓育成事業、啓発事業など、一般財団法人への移行時に「公益目的支出計画」に位置づけた事業についても、引き続き、実施します。