「働く」ことを軸に障害者のノーマライゼーションを目指す
大阪府箕面市稲1丁目11番2号

令和7年度(2025年度)事業報告書の総括事項・事業関係事項

Ⅰ 総括事項
一般財団法人箕面市障害者事業団は、障害者の職業的、社会的自立を促進するとともに、事業を通して基本的人権の尊重と市民文化の高揚を図り、もって市民福祉の向上に寄与することを目的として設立された公益法人です。
 
令和7年度(2025年度)の本事業団は、平成2年(1990年)の設立から35周年という節目の年にあたり、これまでの歩みを振り返るとともに、次の時代に向けた基盤づくりを進める重要な一年となりました。
物価高騰や人件費上昇などの環境が大きく変化する中で、本事業団は中期運営計画の折り返しにあたる3年目として、地域ニーズの変容に応じた事業運営、財政基盤の再検証、そして将来を見据えた人材育成と組織力の強化に重点的に取り組みました。
以下に、令和7年度(2025年度)の重点項目である3つの柱について総括します。

  1. 地域に根ざした事業運営の推進

    本年度は、地域の障害者を取り巻く環境が多様化・複雑化する中で、支援の質と幅の両面を強化し、より厚みのある支援体制の構築に取り組みました。

    高齢障害者への支援の必要性が高まっていることを踏まえ、生活面・健康面の課題に対応できる支援体制を強化するとともに、個別相談に加え、当事者向けや関係機関、雇用事業主向けのセミナー開催など、これまで以上に積極的に地域に出向くアウトリーチ型の支援に取り組みました。

    さらには、環境クリーンセンターでの新規事業をはじめ、市内関係機関との協働による職域の創出にも取り組みました。

    これらの取り組みは、障害者の就労機会を拡大するだけでなく、地域の福祉施設の収益向上にも寄与し、地域全体で支える仕組みづくりを深めることにつながっています。

  2. 財政基盤の再検証

    物価高騰や固定費の増加など、予測を上回る経営環境の変化を受け、本年度は財政基盤の再検証を重点的に進めました。

    事務局内で財政状況を共有し、数年先までの収支見通しを精査したうえで、必要な財源の分析と経営状況の検証を行いました。

    収益事業の自動販売機設置にかかる事業については、業界全体の不振や物価高騰の影響により収益の落ち込みが懸念されましたが、飲料販売会社との調整を重ね、収益減少を最小限に抑える対応を講じています。

    これらの取り組みにより、財政の安定性を確保し、持続可能な運営体制の維持に努めました。

  3. 将来を見据えた経営基盤の強化

    本年度は、事業の持続的発展に不可欠な人材育成と働き方の多様化に重点的に取り組みました。

    障害者職員については、定年後の継続雇用や高齢化への対応を含め、個々の障害状況や希望に応じた働き方が可能となる、柔軟な就労環境の整備を継続しました。

    また、将来の事業を担う2号職員の育成にも力を入れ、秋以降の採用試験を経て正規職員4名を採用するとともに、係長級・チーフ級職員のマネジメント力向上を図る実務経験の機会を提供しました。これらの取り組みは、組織の次世代を担う人材の確保と育成につながり、事業団全体の組織力強化に寄与しています。

    本年度は、厳しい経営環境の中にあっても、地域の障害者の就労促進という設立当初からの目的を見失うことなく、各事業を着実に実施し、地域における障害者就労の中核としての役割を果たしました。次年度以降も、地域の期待に応えるべく、持続可能な事業運営と組織基盤の強化に取り組んでまいります。

Ⅱ 事業関係事項
令和7年度の事業計画に基づき、以下のとおり各事業を実施いたしました。

(1)障害者の雇用促進を図るための調査研究及び相談支援

ア.相談支援
本事業団は、「障害者雇用促進法」や「障害者総合支援法」、「児童福祉法」に基づく大阪府知事、箕面市長の指定を受け、相談事業を実施しています。これらに加え、事業団独自の取り組みとして、市民からの「相談」も本部事務所において、随時、対応しています。
また、「働く体験の機会」を提供する職場実習についても、市内障害者事業所等との連携の下、延べ8名の実習生に対し、合計62日間実施しました。

(2)障害者の職域拡大を図るための助成事業及び職種開拓育成事業

ア.アートショップ「グリーンるうぷ」運営事業
豊能障害者労働センターが運営する「福祉ショップゆっくり」の店舗スペースとして活用しました。

イ.障害者雇用助成事業
箕面市の補助金を得て、本事業団の職種開拓育成事業の適用を受けた3事業所に対し助成を行いました。
豊能障害者労働センター
障害者の働くパンハウスワークランド
箕面市障害者共働事業所たんぽぽ

ウ.職種開拓育成事業
本事業団職種開拓育成事業実施要綱に基づき、自主的に職種開拓事業を実施する市内障害者事業所に対し、本事業団独自の支援を行いました。

エ.その他のパイロット事業

a)図書館資料修理等業務
箕面市内の福祉施設等の収益や工賃向上を目的に、本事業団が「調整役」となり箕面市教育委員会から図書館資料の修理等業務を受託し、市内3事業所へシェアを行いました。内容については、合計2,670冊の補修、1,040冊のカバー装着、7,590冊の貸出管理用ICタグを再利用するための切り取り作業を、それぞれ円滑に実施できるよう調整しました。

b)みのおライフプラザ清掃業務
箕面市内の福祉施設等の工賃向上を目的に、「みのおライフプラザ」の事務所フロアを中心とした「ごみ回収作業」の一部を本事業団が受託し、市内3事業所にシェアし、通年で238日間実施しました。

c)資源ごみ回収業務
重度障害者の職域拡大を目的に、市内の公共施設に限定した資源ごみの回収事業を通年で実施していましたが、回収作業を担当する障害者職員の定年退職や後継者の不在等により、事業継続が困難となったため6月をもって当該業務を終了し、業務移行のため引継ぎを行いました。
なお、6月までの業務は、52施設から排出された資源ごみ、新聞紙830kg、雑誌25,920kg、段ボール23,010kg、紙パック1,940kgの合計51,700kg(2t収集車約26台分)を回収しました。

d)環境クリーンセンター事業
箕面市環境クリーンセンターにおいて、市民等が搬入する廃棄物の受け入れや手数料の精算、再資源化のための分別、ペットボトルの減容などの業務を、障害者職員を中心に職員が一丸となって実施しました。
対象処理物8,811tの受け入れ、分別作業を行った結果、ペットボトル253t、ダンボール116t、新聞古紙103tなど合計2,037t(搬入量の約23%)の再資源化につなげました。

また、ペットボトル選別業務の市内障害者事業所へのワークシェアを通年で実施しました。
あわせて、箕面市・荏原環境プラントと連携して、水耕栽培と陸上養殖を同時に行う「アクアポニックス」の試行事業を引き続き実施し、生産した野菜は市内障害者事業所に提供し、弁当の食材に活用しました。

e)その他のパイロット事業
上記のaからdの取り組み以外にも、『優先調達事業等調整会議』を1回開催し、箕面市の障害者事業所等からの物品等の優先調達推進方針の説明を受けて意見交換等を行いました。

(3)障害者理解を深めるための啓発活動

ア.障害者福祉啓発講座
箕面市からの受託事業として、広く市民を対象とした啓発講座を年間3回開催し、合計108名の参加がありました。
前年度に引き続き、多くの市民が安心して参加できるよう、来場者の間隔を確保できる会場で基本的な感染対策を講じての開催や、Zoomによるオンライン同時配信も行いました。
なお、各講座の開催実施結果は次表のとおりです。

みんなで考える障害者福祉啓発講座
1回目 日時 令和8年(2026年)1月30日(金)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター6階多目的室3A3B(605、606)
テーマ 『障害者が安心して暮らすための災害時の備えについて考えてみよう その3』
講師 立花 直樹さん 関西学院短期大学 保育科 准教授
参加者 44名
2回目 日時 令和8年(2026年)2月18日(水)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター6階多目的室3A3B(605、606)
テーマ 『知らない誰かの笑顔のために』
講師 浅井 純子さん 全盲ポジティブウーマン
参加者 28名
3回目 日時 令和8年(2026年)3月18日(水)
午後2時30分から午後4時30分
場所 箕面市立船場生涯学習センター6階多目的室3A3B(605、606)
テーマ 『目に見えない障がいと向き合って生きていく』
講師 北島 麻衣子さん かけはしプロジェクト代表
参加者 36名

イ.ホームページ等による情報発信
財務諸表等の公表や本事業団の活動を紹介する情報ツールとして活用しています。

(4)障害者の就労の場の確保及び実習を通じた職域拡大を図るための受託事業

ア.緑化推進事業

a)箕面市都市公園花壇管理等事業
箕面市から委託された箕面市内の公園花壇やプランター、街路樹枡等の花壇管理を障害者職員中心に行いました。ここ3年間の実績は以下のとおりです。

花壇の植栽を含む管理業務 街路樹枡等の
除草箇所
市内全域合計
西部地域 中部地域 東部地域
令和5年度 17箇所
15,240本
22箇所
19,428本
14箇所
12,045本
13箇所 66箇所
46,713本
令和6年度 17箇所
14,100本
26箇所
20,568本
14箇所
12,045本
13箇所 70箇所
46,713本
令和7年度 16箇所
13,578本
27箇所
20,661本
14箇所
12,510本
13箇所 70箇所
46,749本

なお、緑化事業の各現場で共通して言えることですが、通りがかった市民の皆さんから「ご苦労さま、ありがとう」と声をかけていただくことで、元気に業務を行うことができました。

公園花壇管理では、体力に合わせて工程を工夫した多様な作業を行いました。職場における熱中症対策については、6月から義務化されたことから、対応計画を策定する等、方策を実行しました。なお、夏場の酷暑下での屋外作業は、従事する障害者職員の体調や作業時の安全確保には最大限の注意を払いつつ業務を遂行しました。

b)公共施設内緑化推進事業
箕面市内の公共施設内に設置されている花壇に合計19,332本の花苗の植栽及び敷地内の除草や屋内清掃、芝の管理を障害者職員中心に行いました。あわせて、観葉植物の入替え作業を5件、合計60回行いました。

c)その他の緑化推進事業
箕面市内の民間事業所の観葉植物の入替え作業を10件、合計120回行いました。また、箕面市立障害者自立支援センターいろはもみじ萱野の開設までの期間である4月から6月において、植栽管理作業を計48回行いました。

イ.リサイクル事業
箕面市立リサイクルセンターにおいて資源ごみ選別業務を受託し、障害者職員を中心に職員が一丸となって処理を行いました。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

空きびん 空きかん 全体での
再資源化率
アルミ
令和5年度 720.77t
(73.5万本)
152.36t
(1,016万本)
90.10t
(300万本)
96.0%
令和6年度 639.52t
(65.3万本)
148.24t
(988万本)
82.96t
(277万本)
94.2%
令和7年度 598.51t
(61.1万本)
143.19t
(955万本)
74.03t
(247万本)
90.6%

【空きびん・空きかんの本数換算について】
・空きびん⇒980g(1.8L 1本分)
・アルミ缶⇒15g(350ml 1本分)
・鉄缶⇒30g(180ml 1本分)で換算しています。

ウ.ビルメンテナンス事業
箕面市立リサイクルセンターにおいて清掃業務を受託し、障害者職員を中心に実施しました。

(5)障害者の一般企業等での就労と、地域での生活を支えるための相談支援事業

ア.豊能北障害者就業・生活支援センター
就業および就業に伴う生活面の支援を実施し、新たに36名が登録しました。

一方で、登録者の状況を精査し、日々の課題に対してご自身で十分に対応・解決していける状況にある方については登録抹消の手続きを適切にすすめた結果、登録者数は昨年度から61名減の551名となりました。

来所、企業現場や関係機関への出張、電話等による相談など、本人に対して1,703件、関係機関に対して780件、企業に対して698件の相談支援を行いました。また、新規の就職26件、職場実習のあっせんは31件、年度末時点の登録者のうち、企業等で働いている人は、16名減り377名となっています。

ここ3年間の実績は次表のとおりです。(登録者数、企業等での就労者数は各年度末)

登録者数 新規登録者数 企業等での就労者数
令和5年度 622名 37名 390名
令和6年度 612名 26名 393名
令和7年度 551名 36名 377名

なお、障害当事者含む幅広い層を対象にしたセミナーを計5回開催し合計114名、北摂地域5箇所の障害者就業・生活支援センターと合同開催した企業を対象としたセミナーに89名の参加がありました。また、在職中の登録者を対象とする交流活動を5回実施し、合計93名の参加がありました。

<高齢者就労支援について>
今年度の重点テーマに「高齢者への就労支援強化」を掲げ、当センターの運営協議会や地域ネットワーク会議を開催しました。その結果、就労意欲の高い高齢者が多い一方で、障害者雇用枠における年齢制限により一般求人への応募を余儀なくされている実情が明らかになりました。

こうした課題に対し、単なる就労支援に留まらず、「居場所」や「生きがい」の創出を視野に、障害分野以外の機関との連携を一層強化していく方針を明確にできました。

イ.箕面市障害者雇用支援センター

a)就労移行支援事業(定員10名)
通年で、242日間の支援を行い、4名の企業就労が実現しました。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

実施日数 延べ利用者数 一日平均
利用者数
就職者数 定員
令和5年度 240日 2,098人日 8.7名/日 7名 12名
令和6年度 243日 1,698人日 7.7名/日 5名 10名
令和7年度 243日 1,909人日 7.9名/日 4名 10名

b)就労継続支援B型事業(定員10名)
関係機関への積極的なPR活動の成果として、年度末までに新たに5名と契約するなど、徐々に利用者が増えています。通年では242日、延べ1,548名の利用がありました。

喫茶るうぷメイプルホール店を活用した接客等の店舗業務、調理や買い物等の社会体験を、就労移行支援事業の利用に向けたステップアッププログラムとして実施しています。

c)就労定着支援事業
本年度は、20名に対して合計194件の支援を行いました。今後、法令で定められた就職後3年6か月の支援期限に達した人に対しては、「障害者就業・生活支援センター」に引き継ぐなど、切れ目のない定着支援を行っていきます。

ウ.特定相談支援事業、障害児相談支援(相談るうぷ)
サービス等利用計画(障害児支援利用計画)の作成ほか、福祉サービスの利用状況の確認(モニタリング)などの相談支援を行いました。契約者は33名(うち児童4名)になりました。

訪問等による相談を年間で173件、また、電話や見学同行、その他の支援を949件、合計1,122件行いました。

相談にあたっては、関係機関との連携のもと、サービス担当者会議を開催するほか、本人中心のチームづくりを構成して向き合っています。

(6)本事業団の目的達成に必要な財源を確保するための収益事業

ア.喫茶店運営事業
「みのおライフプラザ」内で障害者職員を中心に年間242日間、喫茶店舗を営業しました。お客さまに安心して利用してもらえる店舗運営を心がけました。

また、「みのおライフプラザ商店街」のPRを目的に、関係者と実行委員会を立ち上げて企画した「ライプラまつり」を10月に実施しました。本事業団は屋台とコイン落としを出店し、来場者に楽しんでいただきました。

イ.自動販売機設置管理事業
市内公共施設等に自動販売機を設置し、常設機が合計81台(令和8年3月末時点)で1,011箇月、市民プール等期間限定での設置機が合計3台で約6箇月、それぞれ飲料販売会社との連携のもと販売管理を行いました。

あわせて、関係先と調整を行い、新たに3台を設置しました。一方、自動販売機業界も全体的に自販機事業の不振が拡がっており、事業縮小や物価高の影響等を受け、7台を撤去しました。

(7)法人管理部門
「中期運営計画」の進捗管理など、法人全体にまたがる業務について、各事業と連携して行いました。

*本事業団賛助会員の状況
本事業団の賛助会員として広く協力を依頼し、個人会員、団体会員より以下のとおり会費を受領しました。心からお礼申し上げます。会員の皆様には、今後も継続的なご協力をお願いいたします。
なお、ここ3年間の実績は次表のとおりです。

個人会員
(1口500円)
団体会員
(1口3,000円)
令和5年度 39件 211口 17件 56口
令和6年度 31件 165口 16件 51口
令和7年度 43件 178口 16件 55口