仕事中の行動から障害者の健康について考える(医療的な支援について)
プロフィール 知的障害40代男性
説     明 ・自分の考えていることを、言葉にすることが難しい方です。
・今の職場で10年以上、働かれていますが、最近になり、仕事中でもイライラして集中できないような状況が度々見られるようになりました。
・本人との会話を通して、イライラの原因が何かを伺うことは困難です。
・職場で実施した健康診断の結果を踏まえ、同僚職員で原因を考えてみたところ、持病の糖尿病の悪化が考えられることが分かってきました。
・体調を維持するには、継続した治療と服薬が必要であることを、Aさんは、十分に理解できずに、通院が中断されていたのです。
支援内容 ・本人に通院することの重要性を丁寧に説明するとともに、本人とご家族の了解も得た上で通院に同行して病状を共有するようにしました。
・その後の通院時も、ご家族から通院の状況を確認させてもらい、雇用管理に活かすようにしています。
・主治医の助言を受けて、勤務中に顔色や行動に対して今まで以上に気を配るとともに、水分として糖を体外に出せるように、休憩時間中に水分補給を促す取り組みをはじめました。
・仕事中に体調不良で作業が続けられない場合は、通常の休憩場所とは別に休憩室を確保しました。簡易ベッドで体を横にして休むことができるようになりました。
・仕事は固定せず、本人の体調やストレスを考慮して配置を柔軟に変更し、職務内容を変えるようにしました。また、本人からの要望もできる限り確認ができるよう話をしたり、仕事以外にも本人の趣味の話などからリラックスしてもらえるようにしました。
・作業を休んだ場合は、時間帯や状況及びどのような対応をしたかを記録としてしっかり残すことにしました。
・また、お菓子などの甘いものを控える生活を意識付けられるように、同僚職員が協力して、本人の前では甘い物を食べない。旅行などのお土産(お菓子)は気持ちだけいただいて職場へ持ってこないようにしました。
考察 ・知的障害のある人にとっては、自分の体調の異変を言葉にすることができずに、病気の症状があっても医療機関につながらない場合があります。
・就労されている障害者の場合は、日中関わる時間の長い職場の同僚スタッフが、ちょっとした変化に気づくことで、本人の受診を促すことができます。また、日々の記録をつけ、家族や主治医により具体的な情報をお伝えすることで、有効な治療につながるのではと感じます。
・また、生活習慣病を抱えた障害者の雇用継続をはかるためには、家族、主治医のみならず、必要に応じて介護保険と障害者支援双方の地域の支援機関と連携をはかり、事業所内でも現場と産業医、※衛生委員会(※労働安全衛生法に基づき常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生に関することを調査審議し、事業者に意見を述べるために設置するもの)等が一体となって雇用管理体制を整えていくことが大切です。
・今後も本人の体調に気を配りながら、雇用継続に向けた取り組みを続けていきます。