仕事への気持ちと職場環境
プロフィール 知的障害B1 てんかん 40代女性
説     明 喫茶店での業務を行っている職員(Aさん)の支援事例です。Aさんは、当初喫茶M店にて勤務し、その後、喫茶K店での勤務を経て、現在喫茶L店にて勤務をしています。喫茶L店での14年間に渡る勤務の中での支援についての事例です。
支援内容 @本来の明るい性格を接客に生かす (開店から3年目まで)
 Aさんは、当初、引っ込み思案なところがあり、前の店舗では、厨房内での仕事を受け持っていました。しかし、新たに接客の仕事を行ってもらうようになってから、Aさんが本来持っていた明るさが引き出され、接客の仕事もスムーズに行うことができるようになりました。しかし、異動してきたAさんについて関わる期間が少ない職員ばかりの中で、時に、店舗の業務に追われてAさんへの目配りが十分でないこともしばしばという状態が続きました。そのためか、出勤後に体調不良を訴えてそのまま早退してしまうことも続くようになっていました。
A社会人としての自覚を持つために (3年目から6年目まで)
 この頃、職員の交代や新しい障害者職員の配属など、喫茶L店でのAさんを取り巻く環境に変化がありました。また、Aさんの日常生活においても、通勤寮からグループホームへと生活環境が変わりました。その不安によると思われるてんかん発作が多くなり、やはり仕事を休むことが多くなっていました。休みがちだったAさんに対して同僚としては、「社会人としての自覚」を持ってもらうべく、Aさんへの支援を行うようになっていましたが、発作が原因となりなかなかうまくいきませんでした。
B店舗の一員(なくてはならない存在)として(6年目から現在)
 てんかん発作は一段と多くなり休むことも多く、Aさん自身「仕事をやめたい」という気持ちになることもあったようです。職員全員でAさんの支援について考え、まずはAさんが店員としての責任感を持てるようになることを目標とし、仕事づくりを考えました。それにより出勤・仕事への動機を強めてもらい、ともすれば、「発作=休み」ということが当たり前のようになってしまいがちだったAさんの気持ちの変化を期待しました。
 *てんかん発作が起こるとき*
 Aさんがてんかん発作を起こすのは、職場での人間関係や家族との関係などで心配事が多い時と考えられました。そこで、Aさんが生活面のことも含めて職員に相談できる環境づくりから始めることとしました。それにより、Aさんが不安に思っていることを軽減し、徐々にAさんのてんかん発作の頻度が減ってきました。一般的には、薬の飲み忘れ、寝不足、過度の飲酒等がてんかん発作を引き起こし易い原因の一つとして挙げられますが、Aさんの場合は、これらには特に該当するものがなかったため、このようなアプローチをしたものです。
C現在のAさん
 てんかん発作によって休むことが大きく減り、たとえ発作があっても少しの時間休んだら仕事に復帰するようになりました。また、気にしていることなどは何でも自分から職員に話すようになり、仕事に対して意欲的に取り組めるようになりました。また、自分の仕事をとられてしまうのではないかという理由から苦手としていた実習生との関わりにおいても、仕事を伝える役をAさんが担うことにより、仕事の先輩として自信が持てるようになりました。Aさんと職員がコミュニケーションを深めて信頼関係をつくることが、店舗全体のチームワークの活性化にもつながっていると感じています。
<Aさんへの物理的なサポート>