稼いだ給料で、おごってあげる喜び
プロフィール 知的障害 50代 男性
説     明 「ケチ」で有名な職員が、給料日に、同僚におごってくれた事例です
Aさん(男性)は「ケチ」、よく言えば倹約家ですが、給料日に、同僚の女性職員を誘って定食屋さんへ行き、おごってあげるというのです。
支援内容

@給料日に同僚を誘って定食屋さんへ行ったAさん、おごってくれたのは「冷やし中華」でしたが、「あのAさんが!」とおごられた方は大感激、Aさんもまんざらではない様子で、「おごった金額以上の喜び」を顔に表していました。

A冒頭にAさんは「ケチ」と書いてしまいましたが、本当に「ケチ」だったのかどうか分かりません。何故なら、働いて給料をもらったのは40代になってからで、それまでは施設でわずかな工賃しか手に入ってなかったのですから、人におごりたくても、そのためのお金がなかったのです。同僚女性を誘って定食屋さんに行ったのも、おごって感謝されたのも、Aさんの手に給料が乗ったからこそなのです。

B障害者の自己実現、他人との人間関係の豊富化を考えるとき、「働いて給料を得る」意味はとても大きいものがあり、「生活の糧」という意味はもちろんですが、それ以上に「障害者の社会参加」に役立っていると言えるでしょう。Aさんの同僚に対する「おごり」はそのことを示してくれていました。

Cこの事例は「支援内容」というとらえ方からは、本来はずれているかもしれません。しかし、あえて載せたのは、お金・収入を得ることができる社会環境は、障害者の社会参加にとって大変重要な支援要素となっていると考えるからです。前文でもふれたICFにも、障害者の社会参加を促す環境因子のひとつとして「労働と雇用のサービス・制度・政策」が挙げられています。