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ICFの視点とは
ICFとは、2001年にWHO(世界保健機関)が提唱した、国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health)の略称です。
1981年の国際障害者年以降、障害を個人の問題とするのではなく、環境との関係でとらえる考え方が広まってきています。
ICFは、こうした考え方を、理論的に整理したモデルです。
一例を挙げて考えてみたいと思います。

ここに、知的障害のあるAさんがいます。
就職をめざしてトレーニングをしていますが、訓練メニューの「タオル折り」がうまくできず、なかなか就職へのチャレンジの機会が生まれません。
そこで、スタッフが、横について「タオル折り」の見本を見せたところ、Aさんも徐々にきれいに折れるようになりました。
しかし、いくら訓練室で作業がうまくできても、それだけでは就職に結びつきません。
Aさんは,スタッフと一緒に就職面接会へ出かけ、企業の担当者から実習受け入れの機会をもらいました。
実習の結果、「これならやれそうだ!」という実感を、Aさんも企業担当者も持つことができ、就職が実現しました。

さて、ここで、Aさんの努力とは別のこととして、「作業見本を見せるスタッフ」や「実習機会を提供してくれた企業担当者」の存在があります。
つまり、Aさんが就職できるには、本人のがんばりだけでなく、こうした外部の要因が大変重要なのです。
ICFでは、これらを「環境因子」、中でも本人の活動や社会参加にプラスに働く要素を、「促進因子」と呼んでいます。
逆に、スタッフがAさんを無視したりしていたら、支援者であっても、本人にマイナスに働く「阻害因子」になってしまうといえるでしょう。
つまり、障害があること自身が原因で、「活動」や「社会参加」が実現しないのではなく、周囲の環境との関係に影響されるということが分かります。
ICFの図でいうと、「心身機能」→「活動」→「参加」という流れに、環境因子が影響を与えている様子が見てとれます。

また、ICFの図からは、次のような事例も説明できます。
今度は、就職して働いている身体障害のBさんを例にとりましょう。
Bさんは、作業は問題なくこなせるのですが、職場の人間関係がうまくいかず、いつも一人ぼっちで昼ごはんを食べていました。
つまり、就職はしていても、職場の中で、「社会参加」がうまくいっていなかったのです。
そうするうちに、これまでできていた作業も失敗が多くなり、悩んだ末に「体調」を崩してしまいました。
これは、ICFの図では、右から左への流れの例といえるでしょう。
つまり、「参加制約」→「活動制限」→「健康状態(変調/疾病)」という流れです。
このように、ICFは、環境との関係で「社会参加」が制約されている結果、「体調」や「障害」そのものにも影響を与えるということも語ってます。

さて、こうしたICFの考え方は、私たちが事業団設立以来、主張してきた思いと、相当の部分で重なります。
ICFと聞くと難しいように思えますが、要は、周囲の物理的工夫や人的な働きかけ・配慮によって、作業ができたり、できなかったりするということです。
もちろん、実習という限られた期間での実践ですから、限界はあります。
また、「できたから良い」という単純なものではなく、工夫や支援によっても、なおうまくいかないこともありますが、それも認め合っていく職場の人間関係が重要と考えています。
ただ、これまで「働くのは無理」と思われていた、また本人もそう思ってしまっていた障害者市民が、事業団で数多く実習にチャレンジしているのも、また事実です。
ぜひ、私たちの工夫の一端を知っていただき、支援のヒントにしていただければありがたいと思います。
なお、ICFには、環境因子の例が、かなり詳細に記載されています(例:家族の態度、友人の態度、同僚の態度、権限をもつ立場にある人々の態度)。
事業団では、こうした分類にも意識をしつつ、あまり細かい語彙にとらわれず、むしろ、日常会話で使われる言葉をもって、実践例を記しました。
よりICFについて知りたい方は、厚生労働省のホームページを参照してみてください。(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/08/h0805-1.html)
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